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ふくらむ講座14回目(フライト前日の記録)

ついにフライト前日。テスト飛行をするため海月の完成に急ぎます。

半球と半球を貼り合わせて球体にしていきます。最初は2つの班に分かれて接合できますが、球体に近づくと1班しか作業ができないようになります。球体の内側から貼り合わせるので送風をしながら、中に入っての作業。このあたりからようやく全貌が見え始めてきます。

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午後15時頃に球体に貼り合わせる作業が完成。これで完全な袋状になりました。そして2重構造を保つため、内側のグラシンと外側のビニールとを、37カ本の紐で結ぶ作業に入ります。送風を続けても完全に膨らませることはできず、半分はグシャグシャの状態で結んでいきます。なので結ぶ箇所を何度も間違えることに。

気がつくと時間は夕方になっていて、さらに外では強い風が吹き始めてきたのでテスト飛行はできません。テスト飛行を明日するとなると、万が一大きく破損した場合、修復時間もありません。なのでテスト飛行は無しで本番に賭けることになりました。

テスト飛行にむけて荷造り

フライトが明後日にさしせまりました。海月はまだ完成していませんが、なんとか間に合わせましょう。

しかしながら、例年だと気球が完成するのは決まって、フライト当日のことがほとんどです。そう考えると、制作はいつもより順調と言っていいのですが、今回は演出も制作のうちなので、おそらくいつも通りテンヤワンヤになると覚悟しています。

明日の夕方、テスト飛行をする予定なので荷造りをしました。素材はもとより、バーナー、ガス、送風機など車に積み込みます。やはりかなりの量になります。

2010_12_17_01.jpg明日、明後日と、天候は悪くなさそうです。

でかいものを見にいく・まとめ

言い訳


仔鯨
ふくらむで「次、どんなのつくろうか?」という話になると高確率で「とにかくでかいのつくろうぜ!」と言い出すヤツが一人いる。場合によっては三人くらいに増える。
ここで言う「でかいの」というのは、「何か社会にインパクトを与えるようなでかいことをしでかしてやろう」というような意味では当然なく、単純に物理的にサイズの大きなものと言う意味だ。
今のところふくらむのつくったものの中では冒頭の写真の仔鯨が最大サイズで全長15m。今製作中の海月が上手いこといけばサイズの記録は超えるかなといったところ。
この「大きさ」と言うのは馬鹿にできないもので、「ただ大きい」と言うだけでわりと驚くことができる。ところが、大きさというのは、相対的な感覚で、分かりにくい例えをすると、蜜柑くらいの大きさの「金柑」はデカイと思うし同じ大きさでも「文旦」ならちっさいと思う。
そして、ふくらむでつくっているものは大抵の人にとって馴染みの薄いものなので、「デカイ」と思わせられるサイズというのがどれくらいからなのかがわからない。わからないから、世の中のでかいものをちょっと見てきました。

若干、強引な前フリですが、この記事はふくらむの活動とはほぼ関係なく、多分に個人的な趣味のものです。また、写真も大量にあるのでご注意ください。写真は見に行った順で並んでおり、古いものでは2004年のものです。現在とは様子の異なる可能性もあります。
では、「続きを読む」からどうぞ。
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流星群は撮れないのか

三大流星群は毎回、撮影を試みるのですが、今まで一度も流れ星を写真に収めることができていません。そしてまた今回も。

肉眼だけで見ているとよく流れるのですが、カメラをセットしたとたに見えなくなります。30秒ほど露光した直後に流れるとよけい腹が立ちます。これはもう撮るなということでしょうか。次のしぶんぎ流星群に期待しましょう。

ふたご座流星群今夜ピーク

久々に海月以外のことを書きます。

三大流星群のひとつである、ふたご座流星群が今夜、ピークを迎えます。
特に月が沈んだあとの15時0時~日の出までが最もたくさんの流星群を見ることができます。ベテランの観測者だと1時間に100個近くも見られるそうです。

気になるのが天気。昨日も雨でしたが、今日も降っています。天気予報では夕方から晴れるそうですがどうなるでしょう。

リングをつくる

気球を飛ばしているとき、地上と気球をつないでいるのはロープですが、そのロープはリングという、気球の底部にある竹製の輪に結ばれています。

2010_12_13_01.jpg去年の『記憶の種』の立ち上げている写真です。数人で持っているのが、そのリングというもの。中学校で作る時間がないので海月のリングを家でつくりました。

2010_12_13_02.jpgまずはリングに付いた過去のグラシンを剥がします。ボンドで接着されているのでカッターで大雑把に削ぎ取っていきます。すると過去に作った気球の色が出てきました。

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一番下の層にあった緑色の紙。間違いなくふくらむができて、最初に作った気球でしょう。思えばふくらむができてから5年以上が経ちます。時間の経過が素材から気付かされます。

2010_12_13_04.jpg2010_12_13_05.jpgリングの大きさに貼ったグラシンに穴をあけ。リングとグラシンをボンドで接着したあと、30センチほどのひし型に切ったグラシンで2重に補強。これが海月の底部に付きます。
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ふくらむ講座13回目

海月のフライトまであと1週間となりました。まだ形にはなっていない状態。来週の土曜18日も制作するとしても完成するか不安です。ということで急遽、本日日曜も行うことになりました。

昨日に引き続いてグラシンの半球作りを視聴覚室で行い、廊下では内部のワイヤリングの取り付け部の制作をします。『ビニールの接着実験』で説明したように、外皮のビニール球体の内側と内皮のグラシン球体の外側をロープで計37本、結びつけるカ所はその倍の72カ所あります。『ビニールの接着実験』のワイヤー取り付け部分を作っていきます。

2010_12_12_02.jpgお昼になり、いつものように自炊した昼食。今日は取り釜飯です。父母にも来て頂いたおかげで鮭ご飯や焼きそばパン、デザートのリンゴやコーヒーなど、いつもより豪華な昼食。食べながらフライト時に流すBGMを決めていきます。『海の中の場面』、『飛んで行くとき』、『月に会ったとき』、『帰ってくるとき』の4曲が決まりました。

2010_12_12_01.jpg午後には、半球のグラシンと半球のビニールとの接合。ここは最も力がかかる部分なので外側と内側からテープで貼っていきます。2010_12_12_03.jpgビニール+グラシンの半球ができたら半球と半球を貼り合わせる作業です。これで球体となりクラゲの形ができるのですが、大きいために右半球と左半球の貼り合わせ位置を合わせるのにも一苦労です。辺を辿っていくとどうもおかしい。確認の末、グラシンとビニールとの接合時に裏表を貼り間違えていたことに気付きました。

ここで5時近くになり片付け。いつも道具や素材を置かせてもらっている視聴覚準備室がクラゲでいっぱいになりました。

来週のフライト前日の制作日が追い込みです。

ふくらむ講座12回目

ついにフライトまで1週間。制作は順調に・・・遅れています。

視聴覚室の中ではグラシン部分のゴア(メロンを12等分して食べたあとの皮の形)を作り、廊下ではビニールのゴア接合は廊下で貼り合わせます。これまで貼り合わせたビニールを広げてみると驚くほど大きく、4階の廊下の半分以上を使っての作業。日が差す視聴覚室と違い、暗く寒く、冷たい廊下でテープの音が響きます。

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12時が過ぎ、昼食の時間。今年は炊飯器を持ち込み、ご飯を作ってみんなで食べています。これまで、おにぎりから始め、手巻き寿司、カレー、などを作ってきました。最近は制作を優先するため、炊飯器に米と一緒に入れると炊き込みご飯になる『~のもと』を食べています。炊ける寸前に、とてつもなくいい匂いが立ちこめて、「あと何分でできるんだろう」と、炊飯器を行き来します。
ちなみに今日は『鮭釜飯のもと』。
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午後は出来上がったグラシンのゴアの接合。6時くらいまで制作を続け、ビニール部分の半球がふたつ、グラシンの半球がひとつできました。
2010_12_11_04.jpg最後に電球にフィルムをかぶせて、どのような色になるか実験しました。黄緑色の光はわりときれいに見えるのですが、青のフィルムは光が弱くなりすぎてしまい、光がよくわかりません。再検討が必要なようです。

ビニールの接着実験

今回のクラゲ型気球は、2重構造になっていて、球体の中に球体がある構造になっています。

2010_12_10_00.jpg図のように下から熱気を入れると、左の図だと内側の球体は膨らみますが、外側の球体には空気が通りません。なので外側の球体にも熱気が回るように、右図のように内側の球体に穴を開けます。これで外側の球体は膨らみますが、そうなると、内側の球体の上部が垂れ下がってしまいます。なので、内側の球体と外側の球体とを、ロープで数十カ所をつなげる必要があります。

問題なのは、外側の球体の素材であるビニール(農ポリ)。テープ類の接着が弱いという難点があります。ロープをどのように貼れば最小限でくっつくか実験します。

農ポリにスズランテープのような幅の広いテープを梱包用テープで接着し、さらに井の字型にテープを貼っていきます。ビニールに付けられたスズランにロープを結びつけるという作戦。何重にもテープを貼り、引っ張ってみると感覚では10kg以上の重さに耐え、剥がれないようです。ここから貼り重ねるテープの枚数を減らしていきます。

2010_12_10_01.jpg何度も実験をして、最終的にはここまで少なくなりました。分かりにくいですが、スズランの両端をテープで止め、そのスズランに紐を通してから、スズランと直角に交わるようにテープで貼るというやり方。これで引っ張ってみます。

2010_12_10_02.jpg夜のテンションで3人かがりで引っぱり、ビニールを押さえます。引っ張るのは皮手袋をしていて紐が指に食い込むようで
「イタイ、イタイ」
と連呼し、ビニールを押さえる2人は
「もっと!もっとー!」
とけしかけます。
接着面は充分持ちこたえました。
これでたぶん、強度は大丈夫でしょう。