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発掘

年末に掃除をせず年越してしまったので、今になって慌てて大掃除をしています。
現在、無理矢理制作部屋として使っている部屋も、ゆくゆくはもう少し工房風にしようと思っているところです。

部屋を片付けていると、こんなものが出てきました。
2011_1_15.jpg数年前に骨格標本を作ろうと思って中断したままのハシブトガラスの骨です。一応全部の骨が残っているはずです。これも完成させないとなぁ。

データファイル

去年末、なおざりにしていた、2010年の制作データをファイリングしました。
2011_1_14.jpg気球本体は残らないので、制作中のメモやスケジュール表など、わずかなところから「残していく」こと大切だと、最近になって分かってきました。
読み返してみると、気球も制作している自分たちも、少しずつ変化していっている経緯が見受けられ、「こんなことを考えていたのか」と思うこともしばしばあります。だから過去の産物や散文を見て恥ずかしいと思い、そう思えるということは、一応、成長しているのかな、とも思います。

消化器で人は飛べるのか

ロシアの地下鉄内で非常用消火器を噴射させ、それに乗り車内を飛ぶという危険遊戯





ロシアの地下鉄車内で車内にある消化器に股がり、噴射させることで飛ぶという事件が話題になっているらしい。

まぁ、とんでもなく迷惑な行為というのはさておき、こんなもので飛べるのだろうか。

消化器の噴射ノズルは角度が付いていて、上向きになるようにまたがっている。飛んでいるときの消化器の状態は水平よりやや前下がり。ということは、噴射方向はより上になっているはず。

ペットボトルロケットも同様だけど、下にむけて噴射しないと、持ち上げる反作用の力が生まれないはずだ。

もしもこの消化器が人を持ち上げるほどの力があるとすると、実際に火に向けて使用する場合、使用者が吹っ飛んでしまうだろう。

でも、動画では確実に地上から浮いている。ワイヤーで吊っているのだろうか。ただし、仲間のひとりが撮った動画を見る限りではワイヤーをつけるような場面は見当たらない。どこかでカットしている可能性は否めないのだが。

やはり、こういうことは実際に実験するのが一番だ。もちろん、車内ではないところで。

書籍紹介『飛行の古代史』

凧の起源でも参考にしたベルトルト・ラウファー著/杉本剛訳の『飛行の古代史』を紹介。

ベルトルト・ラウファーはアメリカの東洋学者・人類学者。原本は1928年に出版されています。

本屋の飛行についてコーナーで、最も多いのが戦闘機などの写真集や航空力学についての書物。飛行の歴史についても、多くは1903年のライト兄弟の初飛行から始まるものが多い。

そういった中で、古代史、特に東洋について書かれているものは、この本以外に見たことがないほど珍しい内容です。

「はじめに」の一文を抜粋します。
本書で証明しようとするのは、前記(「飛行の実用性は、試作と議論の問題に留まっており、空想物語の主題となりはじめたばかりで、理論的研究計画の目標とされはしたものの、実際に試みられることはまずなかった。」)のあらゆる特徴が、ヨーロッパ航空史の黎明期よりさらに数世紀前の古い時代の東洋に見られたということであり、しかも、われわれの時代の航空技術の原理の根底にある基本理念は東洋にその源をもっている。
飛行の歴史は西洋の「イカロスの翼」同様、東洋でも伝説からはじまり、中国やインドの文献に基づいた飛行記録が書かれています。

原本は「OPEN LIBRARY」というサイトでも見ることができます。

凧の起源

2011年になりお正月もあっというまに過ぎてしまった。お正月の風物詩として凧揚げがあるが、それも最近ではあまり見られなくなってしまった。

凧の起源を調べようと手元にあった『飛行の古代史』(ベルトルト・ラウファー著)を見てみると、

凧は古代中国において発明され、かつ初めて実用に供されたのであった。
とある。やはり中国が発祥のようだが、数頁さきに

中国における凧の始まりをはっきりと辿ることはできない。
なに!?結局わからんのかい?ただし、この本に書かれている中で凧の最も古い記録として

紀元前196年に没した韓信の一生にかすかに見出される。(中略)韓信は未央宮までトンネルを掘ろうと決心して、宮殿までの距離を量るために紙鳶を飛ばしたと言われている。

正確に何年かは分からないが、少なくとも紀元前200年ほど前にはあったことが推測できる。

興味深いもので、紀元前507年から444年に山東省に住んでいた公輪子(魯班ともいう)という機械技師が作ったと言われる「木鳶(もくえん)」。これは竹と木でできているカササギの彫刻で、飛ばしたら3日後に落ちて来たなどといった話が『ぼくし(「墨」と「羽冠に隹」)に書かれているらしい。が、これは凧の起源には疑わしいので、凧の起源は約紀元前200年と考えるのがよさそうだ。

ネットで調べてみると、あっけなく「中国凧の歴史早見表」というサイトが出てきた。出典が明らかではないが、ここにも「BC221~AD220 未央宮(長安)攻略に凧で距離測量」とある。

現在から約2200年前に凧が飛んでいたということだ。

それにしても、木鳶というよくわからないものが気になる。

.vob動画の変換

現在、先月の海月のビデオを編集しています。
2台のカメラで撮った映像を織り交ぜて、と思っているのですが、もらったデータの「.vob」がiMovieでは読み込めないようです。調べてみると、変換すると取り込めるということで試みてみました。

フリーの変換ソフト「bbDemux」「ffmpegX」「HandBrake」「MakeMKV」「MPEG Streamclip」「OpenShiiva」「iSquint」などで試してみましたが、どれもエラーや権利の問題が出てしまいます。唯一「MPEG Streamclip」で変換できたものの、音声が入らず。結局元データから読み取るのが確実なようです。

ということで、フライトの映像はしばしお待ちを。

人力飛行機部の飛行機

昨日のブログに書いた琵琶湖の大会に出場した飛行機をざっと紹介します。


■プテラノドン(1996)

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2011_1_9_01.jpg白亜紀後期の翼竜。これを復元させて飛ばすというプロジェクト。化石から「どう飛んでいたのか」を探っていったためこのような骨の形に。他の飛行機と違って骨の造形など飛行以外のところで、やったら凝っている。



■プテラノドン(1998)

2011_1_9_02.jpg初機のプテラノドンがあまりにも重くて飛ばなかったのでリベンジしたもの。97年が台風直撃し、大会が全面的に中止になったので翌年の98年にフライト。コンディションもよく、まずまずの飛行。



■プテラノドンファイナル(1999)

2011_1_9_03.jpgプテラノドンの飛行に一応、成功したのだが、目的はプテラノドンの復元飛行なので、プテラノドンが飛んでいた翼=膜翼を使った飛行を試みる。膜なので翼型が変形してしまう。試行錯誤の末、テスト飛行では成功するが、大会では背風の影響もあり撃沈。



■ラケシス(2001)

2011_1_9_04.jpg地面効果を設計の段階から、より得られる形を考案した飛行機。無尾翼なので前後のバランスが難しい。100を超える模型を試作し、先尾翼のようにアーチ状の小さい翼を付けることで安定させた。すべて曲線でできている飛行機は稀。


■リリエンタール(2003)

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2011_1_9_06.jpgライト兄弟が世界初の動力飛行に成功する以前に、オットー・リリエンタールというドイツ人が飛行を試みていた。その回数は数千回にもなり、グライダーの父と呼ばれている。最期は風にあおられ墜落死する。彼の飛行機を復元。


他にもリング翼(言葉通り丸い翼の飛行機)やライトフライヤーなどがあり、部室の制作倉庫の天井に、今までの翼が吊るしてあります。大会に出場する多くは大学生や社会人なので、高校生にしかできない挑戦をし続けています。

部活の新年会

高校時代の部活の新年会に行く。

去年から始まったもので今年で2回目。まだ真新しく習慣づいてはいない行事。
部活というのが人力飛行機を作って飛ばすという研究部。琵琶湖で行っているテレビ番組主催の大会に出場もしてきている。超マニアックな部活だが、徹夜の制作を続け、炎天下のなか、20mほどの飛行機を担いで走り回るのは運動部並みに厳しい。

新年会には10期生から24期生まで10人以上が集まった。
お互いに知らない人もいるので自己紹介から始まる。普通なら名前とか何期生とか干支など、他と特異なことは作った飛行機の名前を言うことだ。

「骨プテラを作った○○です」
とか
「××です。ラケシスを作りました。」
など

その方が何期生と名乗られるより時代が分かりやすい。今の現役生の話や昔話などを話す。昔から変化したことや変わっていないことが見えてくる。12歳という差がありながら話せるのは同じ場で同じような作業を共有したからだろう。

思わぬ再会

先日、遠出したときに銭湯に行った。どこにでもあるようなスーパー銭湯だ。

脱衣所で服を脱いで浴場に向かうと、突然名前を呼ばれた。振り向くと高校のときの友達が風呂上がりの濡れた髪で服を着て立っている。お互い偶然の再会に驚きながら久々の会話を交わす。

結婚をして近所に住んでいるという。相手の方が「お前はなんでここにいるんだ」という気持ちだっただろう。向こうは服を着ているが、僕は全裸で立ち話。盛り上がってしまい、なかなか会話が切れない。

15分後、「それじゃぁ、また」という締めくくりの言葉で別れた。
思わぬところでの偶然の再会というのは面白いが、今回は場所とタイミングも上手く手伝ってくれた。

その後の風呂はいつもより、リアルに熱かった。

翼をヌンチャクにした鳥

翼をヌンチャクのように使う古代鳥類

現在のジャマイカに生息していた古代の飛べない鳥は、翼を古武術のヌンチャクのように振り回して敵を倒していたとする最新の研究が発表された。
1万年前に生息していたクセニシビスというとりだそうだが、翼を武器として使っていた鳥類が発見されたのは始めてという。

ダチョウは飛翔できる翼の代わりに強豪な脚を、ペンギンは水中を泳ぐ力を手に入れた。どちらも獲物を追いかける攻撃性と、捕食者から逃げるための防御になる能力だが、ヌンチャクのように振り回すだけとなると、研究者のロングリッチが言うように、やはり人間には勝てなかったのだろうか。