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2013年3月に飛ばす気球 第4回目

中学生と気球の話し合いを初めて、もう3回目。前回に決まった「人型」をもとに、またアイディアを出す。

「プレゼントに見立てた風船が人型から出てくる」
「人型がカゴや箱を持っていて、その中に風船が入っている」
「人型にプレゼントを描く」

というアイディアが挙がるが、これまでの時間を合計すると、このような話し合いを10時間以上続けている。さすがに視野が狭くなり、話し合いを始めた頃のようにアイディアが出なくなってきた。今回、初めて参加する人は制作過程も気球が飛ぶ姿も見たことがない。なので、一度、小さな気球を作って飛ばしてみることにした。

おそらく本番に作る気球は10メートルないし、人型の形だと20メートルを超える場合もある。なので今回作る簡単な気球は、一辺3メートルの立方体の気球を作ってみることにした。

まずは紙貼りから。僕たちの作っている気球は紙製紙なので、まずは紙と紙とをセロハンテープでつなぐことが基本であり、最も重要な作業となる。

一人が紙を押さえ、もう一人がセロハンテープで隙間無く、重なることなく貼り合わせる。

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一辺3メートルの立方体を作るために、一辺3メートルの正方形を6枚作る。話し合うには大きすぎた教室も、作業をすると紙で埋め尽くされる。

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今日は紙貼りが途中で終わってしまったので、次回に紙貼りの続き、また紙に絵を描き、立方体に貼り合わせてフライトを試みる。

2013年3月に飛ばす気球 第3回目

中学生とつくる気球の話し合い2回目。前回に発案され、絞られた案について話し合いの続きをする。

「イカめし」をイチオシしていた小学生も2週間経って客観的に案を見直したせいか、中学生がイメージを持ち始めた「人型」案に頷いた。
そこで、人型案から案を練っていく。

「人が何か持っていたら面白いんじゃないの?木とか」
「人型に絵を描きたい」
「描くなら何かテーマがあったほうが描きやすい」
「風船をプレゼントみたいにラッピングして人型の中に入れるとかは?」
「それなら人型はサンタにするとか?」

意見が連想的に連なり、人型に付け加えるキーワードに「プレゼント」が挙がった。そこから「今までにもらったプレゼントを人型に描く」という案が出た。

2012_10_6_01.jpgこれまでもらったことのあるプレゼントや最初にもらったプレゼントを思い出し、最終的にプレゼントとか夢を描こうという案が出た。それを次回再考する。

越後妻有トリエンナーレ2012

先日、新潟で開かれた「越後妻有トリエンナーレ」を見に行ってきました。

十日町を中心に25km四方くらいの範囲に300点以上の美術作品が展示されています。車で数日間、巡っても全作品を見ることはできないほどの規模で、有名なアーティストから学生、地元の人も出品しています。

今回は小さなものを集積した作品に注目してみました。

■『No man's land』/ボルタンスキー

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ボルタンスキーの新作で、古着が山のように積まれており、巨大なクレーンが古着を持ち上げて空中で落とす動作を繰り返すインスタレーションです。心臓のような鼓動と古着を持ち上げるクレーンの音が会場に響いていました。玩ぶように古着を持ち上げ落とすクレーンの動きが怖く見える作品です。

■『再構築』/行武治美

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家の壁面に何百枚もの鏡を設置した作品です。家の内部では鏡が風で揺れ、多数の光の粒が揺れ動きます。

■『家の記憶』/塩田千春の家

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黒い毛糸で家の内部を張り巡らせた作品。毛糸越しに見える部屋は懐かしさを感じさせます。全長44kmにもなる毛糸を1週間程度で制作したそうです。

■もうひとつの特異点/アントニー・ゴームリー

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2009年に制作された作品で、無数のワーヤーが張り巡らされ、それらのワーヤーが交差する部屋の中心に、人の形が形成されています。

■『水上』/高橋士朗

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全長33メートルのインフレータブルアート作品。風で揺れていて「生きてるみたい!」と、見ていた子どもがはしゃいでいました。


越後妻有トリエンナーレの中心部の十日町駅付近の居酒屋に入ったときに、一人の客とお店のおばちゃんがトリエンナーレの話をしていました。「ボルタンスキーは良かった」と客が言うと、おばちゃんは「いやぁ、『最後の教室』(ボルタンスキーの前作)は暗くてねぇ、私ダメだったの」などという会話がなされていました。居酒屋のおばちゃんがボルタンスキーの名前を口にするほど町に浸透していることに驚きました。

2013年3月に飛ばす気球 第2回目

中学生とつくる気球、第2回目。今日は小学校にも配布されてるプリントを見て、小学生の参加もあった。小学生が参加するのは3年ぶりだろうか。賑やかさが懐かしく感じられる。

今日から11月末までに、今年はどのような気球をつくるかを考えていく。

最初につくりたいものや、飛んだときに面白いと思うものを挙げていった。
タコ、イカメシ、月、樹、家、人、とにかく大きいもの、地球などのアイディアが20個ほど発案された。

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挙げられた案について意見を交わしながら考えてみる。

「イカメシがいい!」
「月は何だか分からなくなりそう」
「家は気球にすると丸くなっちゃいそう」
「だったら未来の家とかにすればいいんじゃない?」
「今まで動物ばかりで植物をつくったことがないね」
「人が飛んでいたら面白そう」

などなど。さらに、「タコがスミを吐く」というアイディアから、形ではなく仕掛けの方向から案出ししてみる。

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「空中で色を変えてみたい」
「どうやってそれをやろうか?」
「気球の表面にセロハンを貼るのは?」
「気球の内側に反射する鏡のようなものを貼付けたら光がどこかに集中するんじゃない?」

など、今日はとにかくアイディアをたくさん出してみた。話しているうちに、小学生は「イカメシ」に興味が湧いてきたらしく、「イカメシをつくりたい!」と早くも決定を急いでいる。

逆に中学生は「人型」が飛んでいるイメージを持ち始めている。

1回目の案出しとしては、かなり盛り上がった話し合いになった。問題はここから。なるべくじっくりと案を練り、「何としてでも作りたいもの」が見えてくるといいのだが。

来年3月に飛ばす気球 第1回目

毎年行っている中学生との気球制作が始まった。今日はその第一回目ということで、顔合わせと今年のスケジュールについて話し合った。

去年のように、参加者が中学3年生がメインになりそうなので、高校入試の準備が始まる11月までに終わらすか、入試後にメイン制作とフライトを行うか吟味する。中学校の行事などのスケジュールを考えても、やはり11月までに企画を決めて制作を急ぐのは難しそう。なので、去年のように、11月までに企画を決め、高校入試が終わる2月の下旬までは実験をし、3月に制作を詰めることになった。

そして今年は何をやるか。。

これまで中学校で飛ばした気球を回想してみると

2007年、カゲオクリ(気球に人の影が写し出される)
2008年、仔鯨(離乳期の実寸大のクジラを泳がす)
2009年、記憶の種(気球の中から各々の記憶が書かれた風船を放つ)
2010年、海月(創作したストーリーに合わせて海月を飛ばす)
2011年、かげから(宇宙を切り取り、その空間に入る)

という企画をやってきた。今年は何をつくろうか。

「自由にかく」のは難しい。とても。

自由に01

ふくらむの写真を見返していたら少し前のカラパイアの記事を思い起こした。
ふくらみも飛びもしない話だけど。
驚異の色彩感覚をもつ5歳の天才抽象画家、アリータ・アンドレちゃん : カラパイア

「こんなん俺でも描ける」と言いたいところだけれど、実際のところ多分ムリ。
適当、あるいは自由に描いている「だけ」に見えるけれども、こういうのって案外難しい。

また、出来上がったものに対する良し悪しの判断も保留しておく。
この手の画に対する評価についてスウェーデンのジャーナリストが仕組んだ「Pierre Brassau」という面白い話がある。
又聞きのため正確な話は分からないので、ごく簡単に説明すると、「チンパンジーに描かせた画を、フランスの前衛芸術家が描いた作品と偽って展覧会を開いた時、評論家たちはどのように振舞ったのか」というお話。興味のある人は調べて見てね。面白いから。そして、詳しい話を教えて欲しい。

さて、話は「ふくらむ」へとつなげます。強引に。
ふくらむの今までの制作の中で「ソラニラクガキ」「カゲオクリ」「かみふうせん」「かげから」「色+色(イロトイロ)」あたりは、ものすごーく大雑把に言うと、「参加者に自由に何かを描いてもらう」企画といえる。

そういう状況で、人はどのようなものを描くのか。
当然に、人によって違うわけだけど、いくつかのパターンがある。もしかしたら年齢や男女に関係するのかもしれないけど大体こんなかんじ。

1.自分の好きな色でグイグイと塗っていく
自由に02自由に03
割りに幼い子に多いような気がする。
長時間に渡って没頭して塗り続ける人もいる。

2.キャラ、記号、文字自由に04自由に05自由に06
顔とか、ハートとか、手書き顔文字とか。
小学校高学年から中学生くらいだと、自分の名前とかアルファベットとか書いちゃう。

3.ちょっと飽きてきた
自由に07自由に08
描くのに飽きてくると、ハケを叩きつけるように使ったり、足跡でスタンプを始めたりもする。
1のパターンとこのパターンは紙が破けることが多いので後の修復も大変だ。

4.他と関わる
自由に09自由に10
他の人が描いた上に別のものを描いたり、縁取ったりする。
尚、下の写真には「LOVE」と「萌」が隠されていたりします。

5.マイルール縛り
自由に11自由に12
中学生以降に多いような気がする。
円で埋めるとか、グラデーションで仕上げるとか、ハケ跡をそろえるとか、何らかのルールを作って描いていくパターン。

6.バランスタイプ
自由に13
5よりさらに、色とか形とかをバランスよく仕上げていくパターン。
好き勝手に描いていいはずなのにそうならない。
これが更に進んだ「何も考えていないかのように、考え抜いて」描いている場合もある気がする。

とまあ、いくつか分類をしてみたものの、ちゃんとしたものではなく、あくまでも個人的な印象によるものです。
こういうのって真剣に研究している人もいるんだろうか。

カタツムリ空を飛ぶ


「カタツムリをでっかくして飛ばしたらどうだろう?」という話をした。
殻の構造をうまい事生かせば、形として見ても、つくる時の構造としても面白そうだ。中をグルグルと歩いてみたい。
カタツムリは陸生貝類という時点で変わり者だし、雌雄同体であったり、広東住血線虫やロイコクロリディウムを媒介したり、ヨーロッパで人に食われていたりと、なかなか面白いお話がでてくる。
真偽不明ではあるものの、氷点下120度でも生き延びるらしい。少なくとも、寒さにかなり強いというのは確かなよう。

「そういえば……。」と、話は転がっていく。
高校の頃、授業で聞いた話を思い出す。なんでも、飛行機に虫取り網をくくり付け上空を飛び、生物層を調査したところ、カタツムリが見つかったいうことだ。
にわかには信じがたいが、あの、ぬるぬるとしけった所を這いずるカタツムリは真実、空を飛ぶらしい。

「ホントかな」と、10年越しぐらいに強く気になりだしたんですが、日本語のネット上では次の二つくらいしか見つかりませんでした。
ササラダニの分類から学んだ自然
ハワイのビショップ博物館には、空中を漂う微小生物、エアープランクトンの研究者がいましたが、飛行機に網をつけて飛ぶと地上5千メートルで小さいカタツムリがとれたそうです。そんな高いところをカタツムリが飛んでるなんて、楽しくなりますね。


埼玉県立自然史博物館 自然史だより 第22号 1993.11 博物館屋上の土の中の動物
かつて、 ハワイのビショップ博物館の研究者達が1000メートル以上の上空で、昆虫採集器をつけた飛行機で調査しました。その調査で、昆虫だけでなくダニ類や植物の破片、さらにはカタツムリまでも採集されたとのことです。この結果から、風に身をまかせて空中を移動している動物が沢山いることが分かりました。


両方の高度の数値も違うので、本来なら一次資料に当たるべきなんでしょうが、そこまでするのは大変だ。

話にまとまりがつかなくなってまいりましたが、とりあえず、カタツムリは空を飛んでいる。というところで終えておきます。
ただ、「でっかいカタツムリ」というのは、どうなんだろう?紙でつくって膨らましてもイマイチかなぁ。

トップページの更新

トップページを更新しました。
新着情報、といってもブログの記事だけですけど、それを表示するようにしました。併せて、サイトマップを「概要」内に移動してワークスの写真のリンクを表示。

ブログの記事表示は「大黑屋本舗」の「jsRSS++ v4.0」を利用しています。
ワークスの写真表示は「BlackFlag」の「jQueryでの画像などのコンテンツ要素ループスライダーの改良版」を利用しています。

あまり、理解を仕切れずにあっちゃこっちゃからスクリプトを引っ張ってきている上にふくらむで使うために微妙に数値を変更したりしているので、だんだんと手に負えなくなってきました。

そろそろ出港?

5月の制作から、およそ3ヶ月が経ち、11月頃に中学生と飛ばす気球をぼちぼち考え始める。毎年、気球を中学生とつくることは2007年から続いているが、終えるごとに新しい発見と達成感と、完成点が浮き彫りになる。

去年までの2年間は、中学生が企画から考えていた。とくに去年に感じた、大きな枠組みはふくらむで決めたほうが中学生が参加しやすい、ということも否めない。

本当は、中学生が勝手に企画を考え、つくりたいものをつくることが理想ではあるのだが、それを一方的に決めて、促すことは、中学生に対して圧力を与えていることになる。

では、その大きな枠組みをどうするか。
メンバーと話しながら、これまでにも挙げられ実行されなかった案、「船」というキーワードが挙がる。