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越後妻有トリエンナーレ2012

先日、新潟で開かれた「越後妻有トリエンナーレ」を見に行ってきました。

十日町を中心に25km四方くらいの範囲に300点以上の美術作品が展示されています。車で数日間、巡っても全作品を見ることはできないほどの規模で、有名なアーティストから学生、地元の人も出品しています。

今回は小さなものを集積した作品に注目してみました。

■『No man's land』/ボルタンスキー

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ボルタンスキーの新作で、古着が山のように積まれており、巨大なクレーンが古着を持ち上げて空中で落とす動作を繰り返すインスタレーションです。心臓のような鼓動と古着を持ち上げるクレーンの音が会場に響いていました。玩ぶように古着を持ち上げ落とすクレーンの動きが怖く見える作品です。

■『再構築』/行武治美

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家の壁面に何百枚もの鏡を設置した作品です。家の内部では鏡が風で揺れ、多数の光の粒が揺れ動きます。

■『家の記憶』/塩田千春の家

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黒い毛糸で家の内部を張り巡らせた作品。毛糸越しに見える部屋は懐かしさを感じさせます。全長44kmにもなる毛糸を1週間程度で制作したそうです。

■もうひとつの特異点/アントニー・ゴームリー

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2009年に制作された作品で、無数のワーヤーが張り巡らされ、それらのワーヤーが交差する部屋の中心に、人の形が形成されています。

■『水上』/高橋士朗

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全長33メートルのインフレータブルアート作品。風で揺れていて「生きてるみたい!」と、見ていた子どもがはしゃいでいました。


越後妻有トリエンナーレの中心部の十日町駅付近の居酒屋に入ったときに、一人の客とお店のおばちゃんがトリエンナーレの話をしていました。「ボルタンスキーは良かった」と客が言うと、おばちゃんは「いやぁ、『最後の教室』(ボルタンスキーの前作)は暗くてねぇ、私ダメだったの」などという会話がなされていました。居酒屋のおばちゃんがボルタンスキーの名前を口にするほど町に浸透していることに驚きました。

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