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石粉粘土

人型の模型を作ってみる。

これまでは油粘土で模型を作っていたのだが、油粘土だと長期保存が難しい。石膏で型取りすることも考えたが、大量生産する必要もないので、石粉粘土という粘土で作ってみた。

しかし、この石粉粘土は軽く柔らかくフワフワしている。美大予備校に通っていたときの粘土の時間に「粘土を撫でるな」「粘土はつけるか取るかだ」言われ、粘土の扱い方は、重量のある粘土の使い方に慣れてしまっている。

今回、購入してみた石粉粘土は、さらに軽量型。やり辛くてしょうがない。

アイディアの決め方(2)

昨日の続き。

9月から話し合いを続けて、今月末にようやく企画内容が決定した。

決定を急いでいた小学生はじれったくて仕方なかったと思う。多数決で決めようとする進め方にブレーキをかけてきたのは、僕らのわがままでもある。

ただ、多数決で決めるということには、どうしても気が引けてしまう。「面白いアイディアを出す」のが目的だったはずが、「決めること」が目的になってしまうように思えるからだ。もちろん、話し合う時間が決められている中で、最終的に仕方なく決めなければならない場合は、多数決という手段をもって決めることは必要なのかもしれない。

しかし、決め方はそれだけではない。「これは面白い!」「これならやってもいいな」とそれぞれが思うアイディアが挙がれば、おのずとそのアイディアに向かっていく。

成功、あるいは経験した方法論があると、ついその方法だけに頼ってしまう。ふくらむの「決定を引っ張る」という方法も、失敗したこともある。

今回数ヶ月に及び、話し合いを続けてきたが、前回の話し合いで、小学生が「(話し合いの)考え方が変わった」と、ポロリと言った。正直、とても嬉しく思った。

アイディアの決め方(1)

昨日の続きになってしまうが、先日土曜日の話し合いで、最終的な決定案を出したのは、話し合い初期から参加している小学生だった。(中学3年生は高校入試があり、1月から参加できなくなってしまったため、小学生の意見が反映された)

振り返って思うと、9月頃の話し合いでは、小学生はとにかく進めようとし、僕らは「いやいや、まだ早いよ」と言い、決定を引っ張っていた。

ふくらむの企画の決め方として、多数決で決めたことはない。だから話し合い初期の小学生の、案を出し、そこから多数決で絞り込むといった進め方にはギャップがあった。もちろん、小学生はそのような決め方が「当たり前」なのだろう。

学校で行う、学級会、あるいはホームルームというクラス単位の話し合いでは、意見を出し、それらについて議論があり、多数決で決定するというセオリーがあるのだと思う。

今までなぜ、ふくらむが多数決で決めなかったかと考えると、多数決をするほど人数が多くないという要素も大きい。多数決の場合、一人の考えが大きく決定を左右してしまう。しかし、それ以上に、今までの話し合いで、「何か面白いアイディアが出た場合は、そのアイディアにおのずと引き寄せられる」という経験がある。

時間内で何かを決める場合、多数決というのは「より多くの人が同意した」ことが反映されるには違いない。しかし、個人の意見が反映されるためには、長い時間をかけ他者の意見と自分の考え、他者と他者の考えを混ぜる必要がある。その調合に時間がかかる。その過程を踏まえ「面白いアイディア」が出てくるのはないか、と思う。

長くなったので明日に続きます。

「無駄」という蓄積の基盤

先日、土曜日の話し合いで、3月に飛ばす気球の企画内容が大きく進展した。

話し合いとしては約5回。一日およそ3時間から4時間話しているので、総時間数にすると約18時間。

いつも思うのは、企画について長い間話していても、案が出てこないときはまったく出てこないが、逆に決まるときは一気に決まってしまう。それは、これまでの『海月』や『記憶の種』でも同じだった。

やはり、結論が出ないような「無駄になってしまう話し合い」の蓄積があってこそ、アイディアは出てくるのだと思う。

所沢のスカイツリー

所沢にもスカイツリーがあることを聞き、見に行ってきました。

デイリーポータル
『所沢にもスカイツリーが建った』

所沢にある北野中学校の近くに、30周年の記念で建てられた50分の1のサイズのスカイツリーがあるそうです。場所を調べてみると、よく通る国道のすぐ裏。こんな所にスカイツリーがある話は初めて聞きました。

早速、行ってみると、、

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あった!

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これはどう見てもスカイツリーです。

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下から見ると結構、迫力があります。

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ちなみに、こちらは東武ワールドスクエアにある25分の1のサイズのスカイツリー。

素材が竹で作られているせいか、味わいがあります。

「中学生にもすげーなーって思わせたかった」という大人のプライドで建ったことが面白い。
僕が見ている間にも、数人の人が写真を撮っていました。

また、夜には本物のスカイツリーのように「雅」「粋」「凛」というテーマでライトアップしているそうです。

今度は是非、夜に行ってみよう。

3月に飛ばす気球 第10回目

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フライトまで2ヶ月となりました。

これまでに決まっていることは「つぼみのようなものを持っている人がいて、その人が飛ぶとつぼみの中から春が蒔かれる」という内容です。

しかし、もう少し「この人物」に迫るため、一人ひとりが作った粘土模型を見ながら話し合いをしました。

「2本足だと夏や冬のように、よく遊ぶ時期に見える。スカートは春の "ほのぼの" とした温かい感じがする」ということでスカートを履いたような姿に決まりました。

そして、つぼみの持ち方について話していると、突然人物像がみるみる見えてくることに…
つぼみの持ち方は少々重いものをやさしく、大切に持つというイメージを想像していると、

●僕:「この人にとって、つぼみは大切なものなの?」
○小学生:「だって、この人は1年間、このつぼみを大事に持っていたから。」
●僕:「1年間、ずっと持ってるの?」
○小:「そう。1年間、大事に持っていて、大事に持っているんだけど、こわれちゃったんだよ。」
●僕:「ん?壊れちゃうの?」
○小:「ほら、つぼみも1年間経つと年をとるから。年をとると弱くなる(もろくなる)から。」
●僕:「なるほどね。じゃ、つぼみが弱くなって割れてしまう感じ?」
○小:「この人は1年間、ずっと大事に持っていて、だけど壊れちゃって、そのショックで倒れちゃう。だけど、そのあとで、そのつぼみを拾った人が、次の1年間、大事に持ってるんじゃない?」
●僕:「ショックで倒れた人はどうなるの?」
○小:「消えちゃう。」
●僕:「つぼみは?」
○小:「つぼみは残るんだけど、次の人が拾うとまた新しくなる。」
●僕:「じゃ、『春を蒔く』って感じじゃないんだ。つぼみを大事にしていたということは、この人にとって壊れてほしくなかったんじゃない?」
○ひ:「うん、だからショックで「アー」ってなる。(倒れ込む動作をしながら)」

今まで話し合いをしてきましたが、大きな飛躍です。
「春を蒔く人」ではなく「壊れてしまったことで春が飛び出す」という進展がありました。

ということで、人物像について要約すると…

1 「この人」は1年間、拾ったつぼみを大事に持っている。
2 大事に持っているが、時間が経つにつれ、つぼみは古くなる(劣化してくる)。
3 結果、1年間でつぼみが壊れる
4 大事にしていたつぼみが壊れしまい、その人は倒れてしまう。
5 それによって「春」が飛び出し春になる

というストーリーが浮上しました。休憩無しの約1時間半で決定されました。

午後からは前回に引き続き2枚組制作。前回つくった139組に加え、現在計200組の2枚組が完成しました。

熱気球の浮力について

熱気球の浮力は体積と温度、そして表面積で決まってしまう。

例えば、球体で外気温が摂氏15度で、気球内の温度が45度の場合、

直径5メートルの球体の浮力は6.7キログラムだが、
直径10メートルの球体の浮力は54キログラムになる。

なぜ、こんなに変わってしまうかというと、

直径5メートルの球体の体積は約58立方メートル
直径10メートルの球体の体積は約466立方メートル

となるように、体積は3乗で増えるためだ。

しかし、浮力を算出するうえで、厄介なのが表面積の関係。
例えば「ウニ」にように表面積が大きい形状だと、気球内の熱がどんどん冷やされていく。

バイクのエンジンにギザギザのラジエターがついているのと一緒だ。
逆に、寒いときに体が冷えないように、腕を組んだり、丸くなろうとするのは、表面積を減らそうとしている。

気球の設計について(1)

ふくらむがこれまでに作った気球の中で、最も設計に苦労したのが2008年の『仔鯨』だろう。

クジラの写真を集め、三重県のクジラ博物館に行くなど、リサーチにも時間をかけた。粘土で模型を作り、それにピンを打ってX.Y.Z座標をだし、パソコンに入力。

気球の浮力は体積が大きく関係するため、体積が小さな場合は全体のサイズを大きくする必要があるが、このとき作っていたクジラは「離乳期を迎える15メートルの仔鯨」だったため、サイズを増やすことができず、いかに「太らすか」という課題に直面した。

しかし、太くし過ぎるとクジラには見えなくなってしまう。紙で模型を作っては再考し、また模型を作るという作業が繰り返された。

10年ぶりの人型

振り返ると、人の形をした気球を作るのは、ふくらむとして活動してから初めてのことになる。
最後に人型を作ったのは、ふくらむ結成のきっかけとなった、2003年の『アトム気球プロジェクト』。アトムの誕生日にアトムの気球を作って祝おうというプロジェクトで、27メートルのアトムを制作した。

企画が立ち上がってからフライトまで、わずか1ヶ月という大忙しのスケジュールだった。通常、設計は制作が始まる前までに終わらせなければならないが、すぐに作業が始まったため、制作をしている傍ら設計をしていた。今になって思い出すと、成功したことが奇跡的に思う。

ふくらむの気球は複雑な形を作っていないため、今回の企画は10年ぶりの複雑な形となる。

だんだん焦る

1月になり、3月末に予定している気球のフライトまで、残すところ約2ヶ月。「春を蒔く人」という大枠は決まっているが、まだ企画内容が完全に決まっていない。

企画の決定が遅れるのはいつものことではあるが、今回は形が人型。作業量は今までと比較にならないほど多いはずだ。気持ちが段々と焦ってくるが、企画について、これまで何時間も話し合ってきたからには、なんとか慎重に決めたいところ。