模型の役割
毎回、気球を作るときには模型を必ず作っている。
今回の模型の縮尺は100分の1。高さ18センチの模型なので、模型を基準に考えると、人の大きさは1.5センチ程度。
今はまだ真っ白な模型だが、これに補強ラインや、気球内に設置する照明を吊るすためのワイヤーの長さなどを書き込んでいく。
完成に近づき、気球の中で作業する大きさになると、自分がいる場所が分からなくなるときがある。そのときは、この模型が地図にもなる。
設計図の元でもあり、地図となる模型だが、最も活用されるのは、制作者がイメージを共有できることだと思う。
共同制作で大事にしているのは、一人ひとりが、今の自分がどこを作っているかを理解して手を動かしているかということだ。その理解がなくては、ただのレーン作業になってしまう。何を手がけたのか分からず、完成した気球を眺めるのでは、みんなで作る意味がない。
また、気球を飛ばしかたを話し合うときにも模型は重要な役割になっている。傾いたときにはどのロープを引っ張るのか、どのくらいの高さまで飛ばすのかなど、模型を手に取りながら話すと、とにかく分かりやすい。
模型は、制作者それぞれが考えていることを教えてくれる。