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全体会議

秋に中学校で行う企画の全体会議に行く。今までふくらむで話し合ったことを学校側に説明。今回は企画から中学生と考えていくプランなので、なかなか具体的なところまで伝えられない。今後もう少しミーティングをし、明文化した企画書をつくる必要があるように思う。予定では来週18日から始まるのでそのためも準備をしなければ。

標高で変化するものたち

フラッと行った富士山。標高が変わると様々なものが変化するものを振り返る。

○雲
これまでも何度も挙げている雲だが、モクモクとした雲が浮いてるのを見下げるというのは何とも妙な光景。頭ではごくごく当たり前だと知っていても、いざ見ると「なんで浮いているのか」とマジックを見せられているように思う。

○気温
標高が100メートル高くなると0.6℃から1℃寒くなるらしい。実際、富士山に登っているときはふもとでは30℃近くあっても頂上付近では数℃になっている。

○ふくらむ
山頂で暖かいスープを味わうために持っていったスープのパックが、山頂付近ではパンパンにふくれあがる。よくある科学の実験だけど、実際見ると驚く。たぶん、急激に標高が移動し、耳が痛い状態などで、自分が高いところにいるという感覚があれば、さほど不自然ではないのかもしれない。
これと同じ原理かどうか不明だが、頂上付近ではいつもよりオナラが出ていたように思うが、これは僕だけだろうか。

○酸素の薄さ
富士山頂付近では酸素濃度が地上の70%程度になっているらしい。実際に8合目の宿舎でも、ちょっと動いただけで息が切れた。通常は眠るときには呼吸、心拍共に、起きているときより減るというのだが、標高が高いと眠るときにも呼吸数が多い気がした。寝ているときに自然と呼吸がはやくならないと高山病になることが多いという。

○物価
山小屋では飲み物、食べ物が販売されているが、とにかく高い。カップラーメンが600円。水やお茶、スポーツドリンクが500円。350ミリリットルのビールが600円。位置エネルギーと物価は比例している。さらに、トイレは一回200円かかる。何をどれだけしても200円。貧乏性な僕は、一回で可能な限り出し切ってしまおうと試みるが、出るものは出る。重いが小銭は持っていく必要がある。


いつも見てるものが、同じ場所でも標高によって大きく変わる。水平に3キロメートル進むのはわけないが、垂直に登るとなると別世界になる。これって面白い。

再び下界へ

御来光を見届けたが、耐え難いほどに風が強い。30分ほどで下山を始める。
話には聞いていたが、下りは上りより疲れる。というのも、上りに比べ下りは目標が無く、下りに使う足の筋肉は伸ばすことも、曲げることもできず常に力を入れてなければならない。というか、そもそも登った後だから既に疲れている。

色々な歩き方を試し、後ろ向きで進むと疲れがかなり軽減されることがわかった。ひたすら後ろ向きで後退していく。気分に例えられるように見下げるより見上げるほうが希望が持てるのは不思議だ。

約3時間半で5合目に帰ってきた。前日に通った道が妙に懐かしく感じる。行くときとは違い、雲がなく違った風景になっていた。何度も富士登山をするというのが少し分かる。

5合目から車で降りると、いつものように見上げる雲になっていた。

御来光

8合目の宿舎に泊まり、頂上から日の出を見るため午前2時に起きる。
台風の関係で風が強い。様子を見て、3時に宿舎を出発。頂上を目指す。

登山者のヘッドライトが連なり蛇行した線を描いている。その先は遠い。
風はむしろ強くなる一方で、砂が歯を噛み締めるとジャリジャリという音が耳に響く。

1時間40分後、頂上に到着。もう空は明るいが太陽はまだ登っていない。体感温度は3.4度だろうか。自然と震える体を固めつつ、日の出を待つ。

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5時過ぎ。ようやく太陽が見えて来た。光はすごい。登山客や湖や雲が橙色の光で照らされ、風景が流動的に変化していく。御来光を写真で見たことはあったが、視界が全部覆われる風景は写真では分からない。ここまで登ってきたという証をもらえたような気がした。寒さも忘れて、、と、言うべきだろうが、やはり寒いものは寒い。しかし、その寒さもこの風景のひとつだと思う。

見下げる雲、見上げる雲

富士山に5合目から登り始め、8合目の宿泊所に向かう。
標高は
5合目で2305メートル
6合目で2450メートル
7合目で2750メートル
8合目で3350メートル
9合目で3570メートル
10合目の頂上で3776メートル

つまり
5合目から6合目まで標高差、約150メートル。
6合目から7合目まで標高差、約300メートル。
7合目から8合目まで標高差、約600メートル。
8合目から9合目まで標高差、約220メートル。
9合目から10合目まで標高差、約200メートル。

7合目から8合目までが最も長い。標高が高くなるにつれて気温も下がるため、動いているときは暑いほどだが、休憩すると寒い。飛行機やエレベータで上昇すると、数百メートルの差で耳に違和感を感じるが、少しずつ登って行くので標高に実感がもてない。むしろ先を見上げたときに「まだまだある」という思いが先行する。

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だが8合目あたりで雲の間にいる風景を見渡し、その高さにふと気付く。地上の雲を見下ろし、上には遥か上空に薄い雲がかかっている。飛行機のようにガラス越しではなく、自らがその風景の中にいるというのは不思議な気分だ。

雲と霧の違い

初めて富士山登山に挑戦。今年は富士山に登る人が多いそうだ。中には「山ガール」という人たちもいるという。そんな波に乗り、いざ山頂のご来光を目指す。本格的な山登りというものは今回が初めて。

5合目までは車で。標高約2300メートルまで行けてしまう。富士山の標高は3776メートルなので約1500メートルを足で登ることになる。5合目で車から降りると既に涼しい。今一度、持ち物を確認して出発する。

5合目から6合目まで、標高差は約150メートル。もう雲の中にいるみたい。

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霧と雲。かつてその違いが気になり調べたことがあった。
すると意外な答えが。それはどこからそれらを見ているかということにあるという。つまり見る人が雲の中に入っているときには雲を霧と呼ぶようだ。
富士山に登っていて、自分が雲の中にいるときには霧であり、富士山のふもとから見ている人にとっては雲らしい。

そんなことを考えながら単調な溶岩石の上を進んで行く。

懐かしい授業

高校生だったときに生物の教師だった人が、今では沖縄に在住し、自らの研究の傍ら、大学やフリースクールで生物の授業をしている。

その人の授業を受けられる機会があり、アポ無しで行ってみた。出会うのは10年ぶり。覚えられているかどうか不安だったが、たまたま出入り口で会い、目を合わせるとすぐに挨拶をしてくれた。

そして授業へ。懐かしくもありつつ10年前とは違った環境で研究をされていて、新鮮でもあった。内容はさておき、やはり聞いている人を引きつける授業づくりに驚く。

自らの興味あることに向かい続け、それを伝えていく。
スゴイと思う。

『君に届け』試写会

今月25日から上映される『君に届け』の試写会に行ってきた。試写会の抽選に当選したからと突然誘われ、原作も分からないまま映画館に足を運ぶ。500人ほどのシアターは満席。8割以上が10代ほどの女性。まわりを見ると年齢的にも性別的にもビジュアル的にもちょっと気まずい気分になる。

少女漫画にはまったく関心を持ったことが無いのだが映画は結構楽しめた。主演の多部未華子は役柄にフィットしていて無理がなく、三浦春馬は映画中の台詞の「爽やかでできてる」という言葉にピッタリ。

とは言いつつ、個人的には主要の二人より、共演している蓮佛美沙子と青山ハルに魅力を感じた。

今年の秋に向けてミーティング

こんなにも暑さが続いているのに、もう9月。毎年秋に行っている中学生と気球を作る企画を考えなければ。8月から何度かミーティングを重ね、ちょとずつプランが固まってきつつある。
今までは『鯨を宙に泳がす』だとか『気球の中から風船を放つ』という企画内容はふくらむで決め、それに中学生が参加していたのだが、今回は企画から中学生が決めていってはどうか、という話で進んでいる。

毎年、やったことがないことを試みているが、今年も今までとは違った難しさに会いそうだ。

テオ・ヤンセン3

歩く生物をつくっているテオ・ヤンセンについて3日目です。
おととい『テオ・ヤンセン1』
きのう 『テオ・ヤンセン2』

今日はオープンアトリエに行ったときの話。

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イッペンブルグの丘の上に彼のアトリエはある。大きな生物の割にアトリエはそれほど大きくない。パーツをアトリエで作り、組み立ては外で行っているようだ。オープンアトリエには取材人を含め、20人から30人ほどの人が来ていた。

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歩く機構を説明する模型が作られていた。写真の最も右にある主軸が回転すると、一番下の足となる点が鉛筆で描かれた動きをする。実際には主軸を回転させることで足を動かすのではなく、人や風が押すことで足が動いているようだ。

テオ・ヤンセン小さい生物
比較的小さいタイプの生物もいて、手で押せるようになっている。地面は細かい砂なのだが車輪とは違って軽い力で動かすことができる。

テオ・ヤンセン空気を貯める
生物の多くは直径2センチほどのプラスチックチューブとそれらを組む結束バンド。空気を送るゴムチューブ、空気を貯めるペットボトル、そして縮む筋肉の役目をするゴムでできている。コンプレッサで肺となるペットボトルに空気を入れて呼吸するような音を立てながら歩く。そのたびに走り回るヤンセンさん。とにかく走る人だ。

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フェンスには今までの試作部品があった。化石のように今まで進化を遂げて来た苦労が見えてくる。
今後も生物が増えていくについれて、このような化石たちはもっともっと増えていくんだろう。



2010年9月現在は韓国のソウルで個展をしているようだ。