ふくらむロゴ

3月に飛ばす気球 第12回目

3月23日に飛ばす気球の本格的な制作が始まりました。

まずは頭から作っていきます。

グラシンという紙を重ねず、隙間を空けずセロハンテープで貼り合わせる作業。慣れないと少々難しい作業です。

2013_2_17紙貼り.jpg
何枚か貼り合わせていると、おのずと自分が貼り合わせやすいスタイルになっていきます。今回、初めて参加する小学生も、数十センチにセロハンテープを切り、少しずつ貼り合わせる自らのやり方で作業を進めていきました。

気球に興味を持った用務員さんも参加し、大きな紙が広がっていきます。

一日中、制作を続け、今日で頭のパーツを作り終えました。

設計の仕上げ

気球の設計では模型を作り、展開図にしたのち、重要なことがもうひとつある。
素材となるグラシンをなるべく無駄がないように配分し、展開図をマーキングするために、数値を出すこと。

この図面ができて、ようやく作業ができる。

2013_2_20展開図.jpg
今回の気球の右足の図面はこの上のような図になる。

赤いグリッドの四角が1枚のグラシンで、1016ミリ×762ミリの大きさ。

時間に追いつめられる

全ての設計が終わると、おおよその作業量が見えてくる。

2008年の仔鯨の展開図はこのようになっている。

kujira_AllDev.jpg
今回はこの仔鯨よりもパーツ数が多い。仔鯨は8日間で作ったのだが、今回の制作日は3月23日のフライトまでに、あと6回しかない。

企画が決定し、制作の準備も整った。

つぼみの壊し方

設計が全て終わり、制作の準備が整ったのだが、大きな課題がもうひとつ。

今回の人型の気球の企画の重要な点は、人が持っている「つぼみ」が「壊れ」、「春がこぼれ落ちていく」という演出。

その「つぼみ」をどのように壊すかが難題だ。

イメージとしては、「1年間、大切に持っていたつぼみが、劣化するようにして壊れ、その中にとじ込まれていた春が溢れる」というものだ。

つぼみが壊れると見える仕掛けをどのようにしたら作れるだろう。

問題から課題へ

2月も最終日になり、明日から3月へ。

23日のフライト日が近づくにつれて、制作やフライト工程のイメージが頭を駆け巡る。

制作は間に合うのか。
色彩はどうするのか。
つぼみをどうやって開くのか。

漠然とした問題を、それぞれ具体的にしてくことから「問題」から「課題」へと繋がり、「解決」へ導かれるのだと信じているのだが、、、。

つぼみの分解方法1

風船がこぼれ落ちる「つぼみ」の仕掛けを考える。

この「つぼみ」は、4メートルほどの大きさで、つぼみの形状をし、中に風船が入っている。

理想は、花びらを散らすようにつぼみが壊れ、中の風船がこぼれ落ちる見え方だ。

要するに、つぼみは、壊れてほしくないときには中に詰まった風船を包み、何らかの動作で、つぼみを分解ししたい。

つぼみを紙で作り、ロープを付けて引っ張ると紙が破れる、という考えで、2009年の『記憶の種』で実験をしたが、破れる前に気球自体が下がってしまった。最終的には、縦に引き裂かれるテープを作り、分割したいラインにそのテープを用い、つぼみを割った。

今回の課題は、「割る」のではなく「空中分解」。

これが意外と難題だ。

つぼみの分解方法2

風船がこぼれ落ちる「つぼみ」の仕掛けを考え中。

空中で分解させなければならないため、外すことを前提に考えられている接続方法を挙げてみる。

・ボタンのようにフックを引っ掛ける構造
・蝶番のシャフト部分のような構造(縫う)
・蝶結びのような、引き解ける結び方
・ボルト、ナットのような回転すると外れる構造
・マジックテープ(ベルクロテープ)
・クリップのように挟む構造
・磁石
・吸盤
・ファスナー
・熱を加えると変形するような形状記憶素材
・ミシン目
・絶妙な粘着力の接着剤
・がま口

条件は、
▷ 動作が与えられるまでは接続していること
▷ 微かな力で外れること(紙を破く力より少ない力)
▷ できれば、テープを剥がすような「順に外れる」のではなく、全体的にパーツが分解されること
▷ 重くならないこと(全体で300~500グラム程度)
▷ 遠隔操作が可能なこと

このような条件で外れる接続方法がこの世にあるのだろうか。。

3月23日に飛ばす気球 第14回目

ついに3月に入りました。制作日は残すところ、フライト日も含めてあと6日です。本当に終わるのでしょうか。

今日は、腰や脇、脚の裏のパーツ制作をしました。

今年のような複雑な形の場合、いざ、パーツを作っても組み合わせるときに、どの辺とどの辺を貼り合わせるのか分からなくなります。100分の1の模型作りでも、そういうことに陥りました。

2013_3_3制作01.jpg
そのため、パーツのポイント全てに名前を書いていきます。
細かいことですが、これがのちの制作をするうえで重要になってきます。