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ワッツタワー

「プンクトゥム・タイムズ」という新聞に吉増剛造が撮ったワッツタワーの写真が載っている。このワッツタワーはロサンゼルスのワッツ地区にある。1921年から1954年の33年をかけ、サイモン・ロディアという日雇い工事現場の労働者が一人で作ったものらしい。鉄筋をセメントで固め、ビンやタイルの破片を拾って、それらを埋め込んで作られた塔で、高い塔は30メートルにもなる。

サイモン・ロディアは完成後、塔に対して子どもの嫌がらせや苦情などがあいつぎ、タワーを隣人に譲ってワッツを去り、狩るフォルにあのマルチネスに移り住む。ワッツを去ってからは塔を見ることはなかったそうだ。この塔をロサンゼルス市は、不許可建築として取り壊そうとしたが、映画業界人、美術研究家、建築家によって守られ、1990年にはアメリカ国定歴史建造物に指定された。

サイモン・ロディアは、なぜ塔をつくるのかという質問に「何か大きなことをやるべきだと思った。だからやった」と答えたそうだ。

三重県で『虹の泉』をつくっている東健次も同様、こういうことをやっている人へ「なぜつくっているのか」と問うと、いたってシンプルな答えが返ってくる。

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