ふくらむロゴ

早朝から雪が降り始めた。わずか数時間の間に、屋根もアスファルトも芝生も、風景が白く染められていく。

雪の積もった町は夜の暗さも穏やか。雪が光を反射し均等にしてしまうせいだろう。逆に音は雪に吸い込まれ、孤独感を感じるほど響きがなくなる。

歩道では足跡が足跡をつなぎ、線になり、道ができる。誰かが落とし、誰かが拾って植え込みに置いたハンカチにも雪が積もっていた。

雪はいつも素通りしてしまう感覚を気付かせてくれる。

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