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『ナスカ気球探検』

昨日はナスカの地上絵の研究、保護を半生かけて行ったマリア・ライヘについて書かれた本を紹介しました。ナスカの地上絵についての本は数多くありますが、何のために、どうやって描かれたのかが、未だに分かっていません。それが、魅了される理由のひとつでもあるのですが。

マリアが提唱する暦法説や、宗教的儀式説、はたまた宇宙人説など、諸説ありまが、その中で「気球を作って描いたのでは」という説について述べられた本があります。

探検家のジム・ウッドマン著の『ナスカ気球探検』という本です。
ナスカの地上絵付近に、高熱で炊かれた焚き火の跡がある点、墓場で発見されたナスカ時代の布が気球に適している点、上空から見ないと地上絵の配置を決めることが難しい点、ナスカの織物の刺繍や土器の絵に気球に似たものがある点から、古代ナスカ人たちは気球を発明していて、飛ぶことによって計測や鑑賞をしていたと確信します。
現地の布を調べ、ナスカ人と似た素材、飛ばし方で再現するという記録が語られています。

マリアがなぜナスカの地上絵を保護する必要があったのか、それは宇宙人が地上絵を作ったのではないかという説が広まり、多くの人が車で押し寄せ、その跡によって地上絵が崩れていくからでした。ジム・ウッドマンは、この宇宙人説を徹底的に否定します。

ウッドマンが行った復元飛行の滞空時間は14分だったので、この時間で実際に地上絵の指示ができたのかは分かりませんが、皮膜、ゴンドラ、焚き火で気球を膨らます専門家(違う国や現地の老人、墓荒らしも含め)が集まり、それぞれの知恵を絞り合う向かう姿に引き込まれてしまいます。焚き火の火が気球に燃え移ったり、強風で引きずられたりなどの困難を乗り越え、ついにプロジェクトは成功します。

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