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カゲオクリフライト

朝8時半、東村山第一中学校に向かう。今日でいよいよ最終日。6時半からのフライトを目指して追い込みの一日だ。昨日まで心配だった風もおさまっていた。

小体育館に荷物を運び終わったころに中学生、小学生も登校。まずは先週残った色塗りをしながら上面と底面の8角形の補強、バーナーを入れるためのリングを取り付ける。中学生は落ち着いた様子でゆっくりと絵を描き、毎回来ている小学生たちは3回目の色塗りということもあって、次から次に好き勝手に描いていく。今回絵を描くことにテーマやルールを決めるか決めないかということで議論になっていたが、結局決めずに好きに描くことにしていた。これだけ体を使って楽しく描いているのを見るとそれでよかったのかなと思う。しかし3回目ともなるとやはり飽きるのも早い。今までに比べると余白が多く少し寂しい気もするが、色塗りは1時間ほどで完成。

午後からパーツを貼り合わせるため午前中に補修をする。描いた紙を広げ、穴や破れた所がないかみんなでセロテープを持ちながらハイハイをして探す。始めは一緒に探していた小学生たちも飽きてしまうと僕らの背中に乗ってくる。こんな風景は数年前のアトムの気球を作ったときにもあったなぁと思い出す。だいたいの補修を終え、午前中はここでおしまい。

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午後からは今まで平面だったものを立体的に貼り合わせ袋状にする。これがなかなか難しいのだが、ゆっくり慎重に子どもたちも貼り合わせて行く。フライト時間が迫りつつ、夕方ついに袋状にして空気を入れることができた。子どもからは「入りたーい!!」「もう入っていいー!?」など悲鳴に近い声が挙がる。紙を破かないようにゆっくりと入り、今まで描いた絵に包まれる。

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そしてついに6時になりみんなで気球を校庭に運び込む。空を見ると満月がすでに地上近くに上がっていた。雲も風もない最高のコンディション。昨日までの風を思うと奇跡的に感じる。校庭にはたくさんの人が見に来てくれていた。そして空気を入れてバーナーを入れる。ゆっくりゆっくり球体になった子どもたちの痕跡が地上から離れて行く。みんなで上空と地上とをつなぐ一本のロープを持つ。

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そして降りてきた球体の中にみんなで入る。中は暖かく角がない不思議な空間。そこに描かれた絵を見てこれまでの4日間が思い出される。
外にで出て空を見上げると月がだいぶ高く上がっていることに気付いた。

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こうして今回の企画は終了した。

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