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つぼみの分解方法2

風船がこぼれ落ちる「つぼみ」の仕掛けを考え中。

空中で分解させなければならないため、外すことを前提に考えられている接続方法を挙げてみる。

・ボタンのようにフックを引っ掛ける構造
・蝶番のシャフト部分のような構造(縫う)
・蝶結びのような、引き解ける結び方
・ボルト、ナットのような回転すると外れる構造
・マジックテープ(ベルクロテープ)
・クリップのように挟む構造
・磁石
・吸盤
・ファスナー
・熱を加えると変形するような形状記憶素材
・ミシン目
・絶妙な粘着力の接着剤
・がま口

条件は、
▷ 動作が与えられるまでは接続していること
▷ 微かな力で外れること(紙を破く力より少ない力)
▷ できれば、テープを剥がすような「順に外れる」のではなく、全体的にパーツが分解されること
▷ 重くならないこと(全体で300~500グラム程度)
▷ 遠隔操作が可能なこと

このような条件で外れる接続方法がこの世にあるのだろうか。。

つぼみの分解方法1

風船がこぼれ落ちる「つぼみ」の仕掛けを考える。

この「つぼみ」は、4メートルほどの大きさで、つぼみの形状をし、中に風船が入っている。

理想は、花びらを散らすようにつぼみが壊れ、中の風船がこぼれ落ちる見え方だ。

要するに、つぼみは、壊れてほしくないときには中に詰まった風船を包み、何らかの動作で、つぼみを分解ししたい。

つぼみを紙で作り、ロープを付けて引っ張ると紙が破れる、という考えで、2009年の『記憶の種』で実験をしたが、破れる前に気球自体が下がってしまった。最終的には、縦に引き裂かれるテープを作り、分割したいラインにそのテープを用い、つぼみを割った。

今回の課題は、「割る」のではなく「空中分解」。

これが意外と難題だ。

問題から課題へ

2月も最終日になり、明日から3月へ。

23日のフライト日が近づくにつれて、制作やフライト工程のイメージが頭を駆け巡る。

制作は間に合うのか。
色彩はどうするのか。
つぼみをどうやって開くのか。

漠然とした問題を、それぞれ具体的にしてくことから「問題」から「課題」へと繋がり、「解決」へ導かれるのだと信じているのだが、、、。

気球事故

エジプトの熱気球爆発、日本人4人含む19人死亡


悲しい事故が起きた。
エジプトで気球の爆発事故があったそうだ。

ニュースでは、かつて個人的にお世話になった市吉三郎さんが、「ガス系統の問題ではないか」と電話でコメントしていた。

このような事故を起こさないためにも、機材のチェックを欠かしてはいけないと学ぶ。

つぼみの壊し方

設計が全て終わり、制作の準備が整ったのだが、大きな課題がもうひとつ。

今回の人型の気球の企画の重要な点は、人が持っている「つぼみ」が「壊れ」、「春がこぼれ落ちていく」という演出。

その「つぼみ」をどのように壊すかが難題だ。

イメージとしては、「1年間、大切に持っていたつぼみが、劣化するようにして壊れ、その中にとじ込まれていた春が溢れる」というものだ。

つぼみが壊れると見える仕掛けをどのようにしたら作れるだろう。

セロハンテープ議論


気球はグラシンという紙をセロハンテープで貼り合わせ作っているが、今まで、そのセロハンテープはセキスイのセロハンテープを使っている。

しかし、昨日の制作では、急遽、セロハンテープを購入しに行ったホームセンターがN社のものしかなかったので、N社のセロハンテープを使ってみた。

セロハンテープという些細な事務用品だが、やはり違いがあることを実感した。

セキスイのセロハンテープは、軽い力でセロハンテープを引き出せる。また、間違って貼付けたあとも、剥がしやすく、修正ができる。かといって、粘着が弱いわけではなく、貼付けたあとで指で擦ると、しっかりと接着してくれる。そして、有り難いのは指でテープを切りやすい。

これほどまで、テープ会社によって違いがある。

ひとつの気球を作るために、数十巻のセロハンテープを使う。通常の生活をしている人が一生の間で使うセロハンテープを、すでに使っているかもしれない。

いつもギリギリ

限られた期間内で、気球の企画の決定にかける時間と、実際の制作時間をどのようにバランスをとるかという問題をいつも抱えている。

これまでに10以上の気球を作っているが、そのバランスの取り方は、未だに分からない。

週に1回程度の小中学生との話し合いで、それぞれが納得できる案を出すために、時間がかかることは仕方がない。

「このような気球を作ろう」と、企画を決定させることは、とても簡単なように思える。
重要なことは、制作に関わる人が、作りたいと熱意を覚える案を出すことだ。

企画を考えあぐねた末、「これは面白い!」と納得するアイディアが出るときは10分間に起こる。

奇跡のような10分間。その10分のために数時間の話し合う時間があるように思う。

また、完成した気球が飛んでいる時間も数分。この数分の間に、膨大な話し合いや制作の時間、その時間の中で交わされた言葉や関係性が集積しているのだと思う。

時間に追いつめられる

全ての設計が終わると、おおよその作業量が見えてくる。

2008年の仔鯨の展開図はこのようになっている。

kujira_AllDev.jpg
今回はこの仔鯨よりもパーツ数が多い。仔鯨は8日間で作ったのだが、今回の制作日は3月23日のフライトまでに、あと6回しかない。

企画が決定し、制作の準備も整った。